パンルヴェ第Ⅵ方程式について

数学

前に書いたPDF「パンルヴェ第Ⅵ方程式について」の紹介。

パンルヴェ方程式とは

パンルヴェ方程式とは、次の6つの複素解析的2階非線形常微分方程式の総称です。
(上から第Ⅰ〜第Ⅵ方程式)

$$ \frac{d^2y}{dx^2} = 6y^2 + x $$
$$ \frac{d^2y}{dx^2} = 2y^3 + xy + \alpha $$
$$ \frac{d^2y}{dx^2} = \frac{1}{y}\left(\frac{dy}{dx}\right)^2 – \frac{1}{x}\frac{dy}{dx} + \frac{1}{x}(\alpha y^2 + \beta) + \gamma y^3 + \frac{\delta}{y} $$
$$ \frac{d^2y}{dx^2} = \frac{1}{2y}\left(\frac{dy}{dx}\right)^2 + \frac{3}{2}y^3 + 4xy^2 + 2(x^2 – \alpha)y + \frac{\beta}{y} $$
$$ \frac{d^2y}{dx^2} = \left(\frac{1}{2y} + \frac{1}{x – 1} \right)\left(\frac{dy}{dx} \right)^2 – \frac{1}{x}\frac{dy}{dx} + \frac{(y-1)^2}{x^2} \left(\alpha y + \frac{\beta}{y} \right)+ \gamma \frac{y}{x} + \delta\frac{y(y+1)}{y-1} $$
$$
\begin{equation}
\begin{split}
\frac{d^2y}{dx^2} &= \frac{1}{2} \left( \frac{1}{y} + \frac{1}{y-1} + \frac{1}{y-x} \right) \left(\frac{dy}{dx}\right)^2 – \left( \frac{1}{x} + \frac{1}{x-1} + \frac{1}{y-x} \right) \frac{dy}{dx}\\
&+ \frac{y(y-1)(y-x)}{x^2(x-1)^2} \left\{ \alpha + \beta \frac{x}{y^2} + \gamma \frac{x-1}{(y-1)^2} +  \delta \frac{x(x-1)}{(y-x)^2} \right\}
\end{split}
\end{equation}
$$

ここで \( y \)は従属変数、 \( x \)は独立変数、 \( \alpha、\beta \)などのギリシャ文字は定数を表すこととします。

またすべて複素解析的な範疇で考えるので、変数は複素変数、定数も複素定数とし、この方程式は複素変数 \( x \) の正則函数 \( y(x) \) についての微分方程式と考えることとします。

このパンルヴェ方程式は新しい特殊函数を見つけようという試みの中で、1900年頃にP. Painlevéによって発見されました。

またその発見後間もなく、ある2階の線形常微分方程式のモノドロミーの問題と関連して、上記のパンルヴェ第Ⅵ方程式が現れました。

しかし、それらの結果はすぐ忘れ去られてしまいます。

(P. Painlevé はその後国会議員となり、1917年と1925年にはフランス首相を務めました)

パンルヴェ方程式の「復活」は1973年, 物理学のイジング模型の研究においてパンルヴェ第Ⅲ程式が現れたことに起因します。

その後は数理物理等の発展に伴い、パンルヴェ方程式の研究は大きく進展しています。

PDFについて

この「パンルヴェ第Ⅵ方程式のお話」では

・動く分岐点を持たない方程式について
・モノドロミー保存変形について
・ある特別な場合の幾何学的ラングランズ対応について

を解説しています。

(このPDFの作成者は解析専攻ではないため, 内容の不備が少なからず存在すると思います。
気になる点があればtwitterのDM等でお知らせください。
)

より詳しく知りたい人のために

パンルヴェ方程式の教科書としては、岡本和夫先生の「パンルヴェ方程式」があります。

他にも野海正俊先生の「パンルヴェ方程式―対称性からの入門」では、線形代数程度の予備知識で具体例を計算しながらパンルヴェ方程式に慣れ親しむことができます。

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